平成19年5月28日(月曜日),日本ALS協会宮城県支部支部長の和川さんご夫妻が東北大学医学部の講義にゲストスピーカーとして参加されました。
妻のはつみさんによると,「引き受けていたものの、夫の体調がなかなか整わず心配しておりましたが、何とか講義の1週間前ほどからお散歩もできるようになりました。」とのこと。医学部生にたいして,ALSと共に生きることをお伝えできるまたとない機会となりました。
講義はまず,次男さんが事前に脳波のスイッチで製作しましたメッセージに添いまして、一番近くで共に生きて参りました妻のはつみさんより詳しい講義がなされました。
以下は講義内容の抜粋です。
ALS患者 和川次男
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| 講義中 |
私は、ALSとしあわせに生きています事をお伝えしたく伺いました。私がALSを発症しました頃は、私にとりましても、家族にとりましても明日が見えない日々でした。
何もかもゼロの状態から 生かし 生かされ 生きてこれました事に感謝です。本日こうして皆様とお会いできます事は、日本の医療と福祉、そしてALS患者家族とALS患者を支え応援して下さる人々の温かい想いの賜物です。
将来の日本の医療を支えていく皆様に、ALSが生きる姿を記憶して頂きましてALSには”何かを施す医療から見守る医療が必要である”事をお伝えしたいと思います。
全国のALS患者家族の1番の願いであります、ALS原因解明と1日も早く治療薬が出来ます事を切にお願います。
平成19年5月28日
ALS患者 和川次男の妻 はつみ
夫がALSを発症した20年余り前のALSを取り巻く医療者の殆どがALSをあまり理解しておらず、ましてや呼吸器を装着して生きるALS患者をどのように受け入れてどのように対応していったらよいのか分かる人も殆どいなかった事、また老人制度でもなく障害者制度でもない難病患者が生きる為の制度も全くなく、長期で入院できる病院もなく、まさに医療からも行政からも見放された想いがしました事お伝えしました。呼吸器を装着した夫が自らをさらけ出す事で”1人でも多くの人にALSを正しく知って欲しい”という強い願いのもとに行動を起こし、同時にALSが生きる環境整備を多くの支援を受けながら1つずつ形にしたことをお伝えしました。
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| 真剣に聞き入っています |
20年あまりのALSの闘病で 出会いましたした我が家にとっての素敵で自慢の医師の紹介をさせて頂きました。11年前 呼吸器を装着して5年目に胆石の手術をして下さいました麻酔科医と外科医、呼吸器を装着したALS患者の手術の症例も事例も発表もないと言いながらも手術をして下しました。お陰様で私達はALSとしあわせに生きる事を知るまで辿りつくことができました。3年前に白内障の手術をして下さいました眼科医、まぶたを閉じてしまった目も開けて見たいものは何でも見ていたのですがはっきり見ることが出来なくなりました。息子の結婚が決まり可愛いお嫁さんを見たい、息子の幸せな姿を見たい見せたとお伝えして手術を承諾して頂きました。息子の結婚式は夫の目と心にすべてやきつける事ができました。耳鼻科医は15年間も往診して下さっております。眼科医、皮膚科医、泌尿科医、どの医師も快く往診して下さいます。最後紹介させて頂きます医師は、私達ALS患者家族の生き方に添いながら必要な医療を提供し、ALSが生きる生活そのものを理解し受け入れて下さり、私達を尊重して下さり、限りなく謙虚に耳を傾け続けて下さる往診専門の医師と医院との出会いは私達はもとよりALS患者家族にとりましても最高のプレゼントです。今から11年前平成8年のことです。それまで不可能と思われていた事にも挑戦できました。呼吸器を装着しての飛行機の旅やALS患者達との旅行、お花見、いも煮会、海、紅葉狩り、私達がしたいと思うことには協力を惜しまず叶える方向に力を尽くして下さいます。
"私達にとって最高の医師と医療"といえます。
目線をかえて,ALSをとうして其々の人生と生き方を理解して、見て、聞いて、受け入れて下さる事はそう簡単なことではないと思いますが、ALS患者のように治療法がなくどんどん進行していく難病者にこそ、病と共に命をまっとうするその日まで寄り添いながら見守り応援し続けて下さる医師が必要なのでと思います。ALSとの出会いが限りなく残酷であっても、ALSで出会う人たちは限りなく温かくあって欲しい強く願います
講義終了後,次男さんのコミュニケーションの手段として利用している脳波スイッチの”マクトス”を使い,次男さんとコミュニケーションをとってみました。普段と違う環境で上手く出来るか心配しましたが,本番に強い次男さんは妻のはつみさんの読み上げる50音に合せて合図をしました。
”か ん し や”
と出まして ”感謝します” と伝えることができました。
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| 記念撮影 | |